5月10日(火) くもり
朝いちばんで、昨日採ってきたタケノコをむきはじめる。タケノコの皮むきなんてカンタン、と甘く見ていたが、そうでもない。太い部分はひと節の上半分しか柔らかくないため、節と節の間のどこに包丁を入れるか迷う。そもそも、そういうやり方でいいのかもわからない。先の細くなっているところも、どこまで食べられるのか微妙なところだ。
都会人の感覚としては、このへんはもう食べられないだろうと捨ててしまいたい部分も、もしかしたら、
「もう1枚はいだら下は食べられたのに。あそこがいちばんおいしいのに」
とあとでだれかにいわれかねないため、包丁片手に悩むのであった。
なんとか皮をむき終えて感じたのは、
「タケノコって、皮をむくと、ほとんど残らない」
ということ。テツコおばさんが採ってきて皮をむいたタケノコを、ナリコさんやヒロミさんが買っていたのも納得。買った方が早いのだ。
お昼ごろ、チョータローさんがシーラの卵とカツオを持ってきてくれた。シーラの卵はタラコを巨大にしたみたいな姿をしている。魚の子はなんでも大好きなのでうれしい。
タケノコは炒め物にして食べたが、やはり昨日採ってきたタケノコガイは海に返した。貝殻を集めているわけではないので、食べない貝は殺したくなかったのだ。先日は、まだ生きているタカラガイをもらったが、海に戻してきた。タカラガイはすでに1個持っているので、これ以上いらないもんね。
5月11日(水) 晴れ
夜、婦人部の集会。お開きになったあと、植物の薬効が話題になる。スンは下痢に効くとか、じんましんが出たときはオオタニワタリを生でかじるといいとか。オオタニワタリの毒でじんましんの毒を消すらしい。いわゆる毒返しだ。スンは甘酢漬けもおいしいので家の裏に植えてみたが、それっきり。植物を育てるのは本当に向いていないのであった。
5月13日(金) 晴れ
夜中に大ぶりになった雨が、朝、止んだ。散歩がてら玉子を買いに行く。家を出た直後からぐんぐん晴れてきて、ものすごく蒸し暑い。日傘をさしているが、日陰にいる感じがまったくない。汗だらだら。歩くのもひと苦労だ。
帰り道、ヨーシーを見かけると、
「チナミさん、バジルの苗いります?」
植物の栽培はまったくダメなのはわかっているが、それでも、自分が育てた野菜を食べることへのあこがれは捨てがたい。ありがたくいただいた苗は、黒いビニールポットに8つ。1つのポットには4本苗が入っている。
ヨーシーは春ごろから突然畑をはじめたのだが、ただの荒れ地をバリバリと開墾し、かなり上等な畑にしてしまった。雑草はきちんと取られ、畝はまっすぐで、竹の支えをしたりネットを被して鳥から作物を守ったり、それはそれは丁寧に手入れをしている。畑の前を通るたびに、感心していたのだ、実は。バジルはプランターで育ててみようと思う。そうしたら手入れもしやすいだろう。
夕方、ゴミ捨てからの帰り、魚を売り歩いていたチョータローさんに出会う。
「魚あるぞ、持っていけ。はい、カボチャも」
さばいたばかりのカツオの身の柵、白子と卵、喉の部分と大きなカボチャを手渡された。
「ありがとう。カボチャ、大きいね。三好さんにもあげようね」
というと、
「隣の女の子にもあげたらいいさ」
しかしあいにく、間もなくカレシのアパートへ引っ越すキヨカワさんは、もうほとんどうちには戻ってこない。
「彼女がいないのはおじいだけだよ」
と冗談っぽくいうと、
「大丈夫、あんたがいる!」
とおじい。ははは。そ、そうだっけ?
夜、今年はじめてシロアリを観察。もうそんな季節かぁ。