4月15日(金) 晴れ
おととい、今年度の臨時総会があった。年度はじめの総会や、節祭10日前に行われる総会は、なぜか臨時総会と呼ばれている。年度末の総会以外はみな臨時になるようだ。
役員になると、席が変わってくる。10人の役員は舞台の下にずらっと並び、公民館員に向き合うように座るのだ。ちょっと特別な気分だ。
今日、午前中は衣装の引き継ぎがあった。ことあるごとに踊りを披露するため、公民館には着物や踊りの小道具が保管されている。どんな着物、小道具がなん点あるのか、新旧の役員が一緒に確認しながら管理を引き渡すのだ。
公民館舞台裏にある楽屋の、タンスの引き出しを端からあけていき、衣装のリストと照らし合わせる。
「ゼンダマ模様の着物、○枚」
カヨコさんがいうと、ヒロミさんがチェックする。
「はい、あるよ」
「ゼンダマってなんですか?」
聞いてみる。
「お金のことよ」
とカヨコさん。あぁ! ゼンダマはゼニダマ(銭玉)のことか。変形の水玉模様だと思っていたが、紺地に白く抜いてあるのは、よく見たら昔のお金の形。和同開珎仲か銭形平次か。そんな感じだ。
「ナーサージはなん本になっている?」
ムツミさんが紫色のたすきを数えながら聞く。ナーサージ? ナスみたいな紫色だから、ナスサージがなまってナーサージ?
「違うわよ。長いサージのことよ」
ああ。手ぬぐいのことはティサージっていうな、そういえば。ゼンダマといいナーサージといい、勉強になるなぁ。
着物もいろいろあったが、おもしろいのは小道具。花がついた笠とか、鶴や亀がついた冠みたいな飾りとか、宝箱を開ける感じだ。
「刀もね、昔は本物がいっぱいあったよ」
とナリコさん。
「ほら、炭坑あってたでしょ。閉鎖されたときに、雇われていた芸人たちがカツラや刀を全部干立に置いてったって。でも本物の刀はいつの間にかなくなった。カツラはまだその辺にあるんじゃない?」
おもしろいなぁ。そんなことがあったのか。
「沿革誌持ってきたけど。これも引き継いでね」
カヨコさんが見せてくれたのは、婦人部の歴代の活動報告が書かれている公文書。上等な紙を糸でつづった冊子に、筆で記されている。
「ほら、昔は婦人部長も男だったのよ。役員も10人ぐらいいたし。いまじゃ考えられないわね」
婦人部の部員の数も相当多い。いまがさびれているとは感じないが、当時の活気は相当なものだっただろう。
夜は公民館主催の歓迎会。学校の先生など公務員のためにやるのだが、送別会と違って歓迎会は、干立に越してきたばかりの一般人もひな壇に呼ばれる。
「チナミ!」
忙しく会場をまわり働いていると、あちこちから声がかかる。
「○○ない?」
いままでになく、用意を簡単にいいつけられるようだ。いいんだか悪いんだか。
「役員になって変わったなぁ」
カンコーおじいが感心したようにいう。
「愛嬌があるよ」
えへへ。そうなのかな。
「なんにもないかと思っていたけど、あるとこあるんだな」
ギマのおじいもヘンなほめ方をする。役員になったので、身なりに少し気を遣い、今日はスカート。友達が作ったトンボ玉のネックレスもしている。もちろん化粧もだ。こちらでずっとしてきた、“すっぴんにスウェットパンツ+長袖Tシャツ”という自称“修行着スタイル”ではない。今日のかっこうは都会では普段着に過ぎないけど、そんなに感心してくれる人がいるなら、これからこういう装いにしようかな。
4月17日(日) くもりのち雨
夜、今年度初の婦人部集会があった。引っ越していった人がなん人かいるが、転入してきた人もいて、合計では去年より1人増の会員数22人。入ってきた人はみな若く、婦人部の活動に積極的な人たちばかりでありがたい。
新入部員の歓迎会をしながら、議題を話し合っていく。今日、決めなくてはいけないのは、母の日にどこに行くか。いろいろな意見を端から全部ホワイトボードに書き、みんなで吟味する。
結局、決を採ったら石垣島になった。わーい、遠足だ。どこに行くかは調べてから、後日、決めることに。婦人部の初会合、無事終了。