1月8日(土) くもり
今日も寒い。アダンを裂いて、縄をなう。これがいちばん重要な日課である。しかし毎日2時間もかけているのにうまくいかない。でも、あまり気に病んでもしょうがないので、うまくなえなくても気にせず先に進めることにする。
郵便局まで15分ほど歩いていったら、入り口の自動ドアを踏んだとき閉まっていることに気づいた。土曜だということをすっかり忘れていたのだ。化粧までして家を出たのに……。
帰ってふてくされて寝ていたら、
「歳末助け合いの募金を集めに来ました」
と公民館の役員が来た。なぜいまごろ“歳末”?
「年末は忙しくて、年明けになっちゃったの。あら、チナミさんも寝てた? ほかの家もみんな寝ているのよね」
やっぱり。こんな寒い週末は寝るに限るからなぁ。
夕方、ヒデコさんがやってきた。
「縄をなってあげようか?」
――いやぁ、やっぱり自分でやらないとうまくならないし。
「そう? 大丈夫、できてるよ。やってるうちにうまくなるし」
私のヘボ縄を点検しながら、決してけなさないおばあ。おばあもアンツク作りたいんだろうなぁ。でも、雨続きで材料のアダンが採りに行けない。晴れた日がしばらく続かないと、せっかく採ってきたアダンがカビて、黒くなってしまうのだ。
「雨が上がったらおばあの材料も採りに行こうね」
と誘うと、ヒデコさんはこっくりうなづいた。
1月9日(日) 雨
朝、縄をなう。昨日より少し上達した。雨で寒くて湿度の高さが気になる。晴れたらすぐに、アダンをもう一度干したい。そうしないと間もなくカビそうな感じだ。
1月10日(月) くもり、雨
運動不足解消にビーチクリーンナップに行く。去年の5月以来、いつも行こう行こうと思うのだが、ついおっくうになっていた。今日は雨だからやめよう、今日は暑すぎるからやめよう、今日は疲れているからやめよう……などといっているうちに、半年以上経ってしまった。反省。
今日の清掃場所は星砂海岸。着いたときには5人ぐらいしかいなかったが、パラパラと増え、最終的には15人程度に。しかしそのうち2人は岡山からの観光客だ。立派な心がけである。
発泡スチロール、ビン、缶、プラスチック、ペットボトルなどに班分けし、自分の担当する種類のゴミを拾う。それ以外の物を見つけたときは、ほかの人が拾いやすいよう、目につくとろこに出しておく。私は「その他」の班で、ゴムぞうり、靴、布、紙、鉄、漁具などを拾うことに。
靴やサンダルは意外に多く流れ着いている。ゴムぞうりも多いが、ゴムぞうりを型抜きしたあとのシートも少なくない。工場が不法投棄したものが流れて来ているのかと思ったら、東南アジアでは型抜きシートを束ねて浮きとして使っているらしい。なるほど。経済的に恵まれない地域はジンブンがあるな。
あまりさわりたくないのは医療ゴミだ。生理食塩水のバッグ、注射針などが見つかった。どうしてこういうモノが流れてくるのかなぁ。
拾ったモノは、船の浮きなどに使われた発泡スチロールが44袋。「粉が散って掃除が大変なので、浮きはほかの素材で作るよう提案できないか」などの解決案が出された。500本以上あったペットボトルは中国、韓国、台湾製が主流だ。
「ゴミは流れ着くものですから、いくら拾っても減りません。だからといって拾わないでいるとどんどん貯まるので、拾い続けなくてはいけません。地道にやっていきましょう」
と主催者からのあいさつ。寒い日だったが、終わるころには汗をかいていた。
1月11日(火) くもり、雨
縄が上達した。うれしい。うれしさのあまり、クラシックを聞きながらぎょうざを作っていると、
「おい、ベートーベンより演歌がいいぞ」
と大家の三好さん。かかっているのはピアノなので、ベートーベンではないはずだ。
「これ、ショパンだよ」
自信を持って言い返す。
「そうか、バッハじゃないのか」
あとでジャケットを見たら「チャイコフスキー」と書いてあった。ダメだこりゃ。
1月12日(水) くもり、雨
毎日、縄ないが一番重要な日課なのは、友だちの中でも私ぐらいではないか。ちょっと自慢できることだ。
前日に裂いた繊維を1時間ぐらいなって、さらに翌日の繊維を1時間かけて裂く。この2時間の作業で、1日に約7mの縄ができる。縄の太さやよりの強さがだいぶそろってきた。そのことだけでも毎日幸せになれる。私って、もしかしたら単純?
夜は三線教室のお稽古始め。三線も頑張らなくては。
1月13日(木) 雨
ほんとうによく降る雨だ。いつ止むのだろう。