12月27日(月)〜31日(金) 「生年祝いへの道・順風」 雨がふったりやんだり/くもり。夜は雨/晴れ/くもり午後から晴れ/雨

12月27日(月) 雨がふったりやんだり

午後、8時過ぎに練習に行くと、キヨキヨが来ていた。
「早いじゃん」
「そっちこそ」
といいあいながら、支度をする。

フロアでふたり、おさらいしていると、学生時代、サークルで八重山舞踊をやっていたキョウコちゃんが、初練習に来た。
「まわるときってさ、こうじゃなかった?」
足の踏み方、扇の動きが違うというのだ。
「私たちのときは、こんなふうに習ったけど……」
とやってみせてくれる踊りは、私とキヨキヨが今回教わったものとは明らかに違う。キョウコちゃんの踊りの方が、きれいで複雑なのだ。困ったなぁ、せっかく覚えたに。変えなきゃいけないのか……。

あとから来たユキちゃんに相談すると、見る見るうちに怒り顔になった。
「そんなねぇ、これで覚えたんだから、今から変えられないわよ。変えたら混乱して、本番で頭真っ白になるって!」
とはいえキョウコちゃんに罪はない。親切に指摘してくれただけだ。
 
 隅の方で私たちが小さくモメていると、向こうからノブエさんがのんびり声をかけてきた。
「いいわよ、ユキちゃんの好きにすれば」
 ユキちゃんはますます怒って、
「好きにやるんじゃなくて、変えるなら最初からそういうふうに教えてくれないと。9月の敬老会もこれで踊ったし、この間ナリコさんもこの踊りでいいっていってたし……」

とはいえこの人はちょっとおっとりした口調なので、怒ってもきつく聞こえない。得な性分だ。干立は人によっていうことが違う。最後はユキちゃんのように毅然とした態度で筋を通さないと、振り回されて疲れてしまうだろう。

踊りはこれまで通りでいくことを確認し、細かいところを少しずつ合わせる。3人とも踊りは覚えているが、ひとつの作品としてのまとまりは、まだまだだ。


12月28日(火) くもり。夜は雨

午後、踊りの練習に行こうと思っていたが、車の手入れをしているうちに、疲れて行き損なった。メンテナンスをまったくしないでいたら、半年前、エンジンオイルのタンクが空になり、車が動かなくなった。それにこりて、今回は半年でエンジンオイルを足すことにしていたのだ。

そのうえ洗車。実は1年半前に買って以来はじめて車を洗った。毎日のようにお世話になっているのに。車がないとどこにも行けないのに。それなのに、海に近いこの家で、潮風や台風にさらされっぱなしで1年半。ごめんね、車。来年も故障なしでよろしく。

そのあと、ガス台の下にためてある買い物ビニール袋の整理をする。ほとんど買い物をしない島暮らしでも、けっこう袋はたまってしまうのと実感。

夜、練習のときにビデオで自分の踊りを見た。だいぶヘタだが、免疫ができているので、10月に見たときほどのショックはない。まあ、こんなものか。

キョウコちゃんのサークル仲間が『目出度節』を踊ったときのビデオを見せてもらう。同じ曲とは思えないぐらい、すばらしい。踊りがきびきびしていて、動作が素早い。とてもよくそろっている。完成度が高い! ほ〜とため息が出るくらいだ。いい踊りを見て、もっと勉強しなくては。

今日は昨日に比べて動きがそろってきた。キヨキヨもアクタイをつかなくなっている。やっていて楽しいのだろう。

 そろそろ『干立口説』も合わせないと、ということになった。ところが、メンバーがいつの間にか変わっているのだ。
「芸能発表会が外に対するお披露目なら、公民会員に対しても、同じメンバーできちんとお披露目をすべきだ」
とだれかにいわれたらしい。

となると青年会のメンバーははずれることになる。そのうえ公民館の舞台は狭いので5人しか上がれない。芸能発表会のとき7人いたメンバーのうち2人は降りなくてはならない。となると私の出番はない。ナリコさんが、さっそくいう。
「あんたは『目出度節』だけでいいんじゃない?」

 出た、と思っていると、カヨコさんがぴしゃっといった。
「そういうわけにはいかんよ。正月には踊らせるって約束したんだから」
 確かにそうはいってもらったが、流動的だしなぁ、とあまり期待はしていなかった。でもカヨコさんは律儀に覚えてくれていたのだ。うれしいな。

結局、「今回は踊りたくない」と遠慮された人もいて、私が出られることになった。5人で舞台に上がり、踊ってみる。2カ月ぶりなので、みな動きを忘れていてバラバラだった。あ〜あ。


12月29日(水) 晴れ

夜、踊りの練習。地方に合わせて踊っていると、マサコさんがやってきた。
「あなたたち、えらいわ! 短い間によくこれだけ覚えて合わせられたわね」
 ベタボメである。さすが、幼稚園の先生は違う。他人の能力をほめて伸ばす文化が身についている。

「私なんか、干立に来て『目出度節』一筋、十なん年踊ったかしら。この部落の人は幸せだわ。私のあのどうしようもない踊りを見なくてすむようになって」
 いつものマサコ節、全開。でも、ほめられるのは悪い気がしない。3人でほっとひと安心する。


12月30日(木) くもり、午後から晴れ

 午前中はくもって寒かったのに、午後からよく晴れ、暖かくなった。祖納方面に散歩に行く。山から竹を切り出し、門松を作っている家が多い。どうやら30日がお正月への準備開始らしい。余った竹をひとつもらい、うちでも花器にする。やはりもらってきた余りものの松やツワブキ、ハイビスカスを挿す。上等、上等! ツワブキとハイビスカスは仏花らしいが、気にしないことにする(ダメかな?)。

 今日は踊りのリハーサル。おとといに続き、地方に合わせて踊る。
「なんかバッチリじゃない?」
「合っているよね?」
「大丈夫な気がしない?」
 口々にいう。ああ、なんとかなる気になってきた。

 しかし順調だったのもつかの間。子供たちが舞台を駆け回り、踊りながら、
「降りなさい!」
 などとしかっているうちに、みんな集中力を欠いて動作を忘れる、間違える。
「本番は気を引き締めていこう!」
 と再確認して解散。本番まであと3日。その間に忘れないようにしなくては。


12月31日(金) 雨

 朝から暗くて寒くて雨が降っていて、台風でも来そうな天気だ。それでも予定通り掃除をし、わが家のただひとつの暖房器具、40cm角のホットカーペットを出す。風を通したくないので、窓も玄関も閉め切る。昼なのに部屋は夜みたい。でも、外に出ても昼っぽくはない。

夕方のニュースを見たら、東京は大雪だそうだ。西表も16度ぐらいまでしか上がらなかったのではないか。明日も寒いらしい。いやだよ〜寒いの。


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