5月30日(日) 「シコマ作業・その1」 晴れ

今日は朝からシコマ作業。部落総出で農道の草刈りだ。これは部落の大事な収入源。本来は国が業者に委託して行う整備を、部落が業者より安く請け負ってやるのだ。国も部落も両方助かる、という構造である。

最初は牧場の間の道。舗装された道の両側にギンネムなどがガツンガツンと生えている。
「ああ、去年もこの場所の草刈りをやったなぁ。もう1年経つのだなぁ」
 と感慨深い。昨年は雨で、かっぱの中が蒸れて汗だくだった。しかもまだ、部落内の誰とも親しくなく、心細かった。でも今年は晴れ。暑いが前回のように不快ではなく、心許なさもない。

作業はどんどん進み、1時間ぐらいでこの場所は終了。
「ずいぶん早いなぁ」
と思ったら、今日出られない人が昨日のうちに半分ぐらいやっていたらしい。なんだ、そういうことか。

さて、次の場所に移動を、と思っていたら、トラックが横を通りがかった。一緒に作業している同年代の男の子たちだ。
「乗ってく?」
声をかけてくれる。うん、といって荷台にひょいっと上がる。こういうことははじめてだ。若い人たちにも、部落の仲間だと認めてもらっているようで、うれしい。

次の場所は舗装されていない細い道だ。両側からアダンがうわっと茂り、いまでは車でも通りづらい。男性陣がバッサバッサとビーバーでなぎ倒し、女性たちが枝を掃く。ここも、思いがけず早く終わった。なぜだなぜだ?

去年は2日に分けて合計4カ所の作業をした。土、日のうちどちらか1日出ればよかった。私は初日に出たが、今日、最初にやった場所だけで午前中かかり、2番目の場所は午後2時間ぐらいかけた。しかし今年は、その2カ所を終えて、まだ午前11時。

「今年は1日でやるから、人数が多いのよ」
 なるほど。そうか。だから進みが速いのか。

その代わり、今日中にあと2カ所やらなくてはいけない。私にとってははじめての場所だ。

3カ所目は、数ヶ月前までスクラップ車置き場だったところに通じる道だ。ここには粗大ゴミ、ときには家庭の普通ゴミも運ばれていたので、道にゴミがちらほら落ちている。草刈りなので、ゴミは無視してもいいのだが、気になるのでちょっと拾う。2つ…3つ……。黙っていくつかつまみ上げ、これまた拾ったゴミ袋に入れていると、
「はい、これも」
タナカさんがゴミをくれた。
「これもお願いします」
中学校のサカタ先生も持ってきてくれる。やはり他の人も気になっていたのだ。

切られた雑草を集めながら、ゴミも拾っているとおばあが声を上げた。
「たまったらそっちに捨てろ!」
 ヤブの方を指している。
「捨てたらダメでしょ」
と私。
「いや、腐れる!」
あまりにきっぱりいうので、「そうか、腐るのか」と納得しそうになった。しかしどう考えても、ビニールは分解されないはずだ。

道の草刈りが終わり、元スクラップ場から帰ろうとしたとき、
「でも、このゴミ、どこに捨てる?」
とタナカさん。
「ゴミ捨て場じゃなくて?」
「だって燃やしたらダイオキシン出るのよ」
それもそうだけど。
「ここに置いたら?」

結局拾ったゴミは、元スクラップ場の一角に置くことにした。ここにはまだ車の破片がいくらか撤去されずに残っている。次回ユンボを入れて片づけるとき(があればの話だが)、一緒に持っていってくれるだろう。島にゴミの焼却場がないと、ゴミを拾っても、きれいさっぱり片づけたという達成感がなく寂しい。

さて、これで終わりか? と思っていると、
「このままもう1カ所やって、午前中で終わりにするって」
誰かがいっている。残りの1カ所というのは、私がまだ見たこともない場所だった……。
                              (続く)


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