4月15日(木)・16日(金) 「パーゴラ完成」 どちらもくもり

4月15日(木) くもり

「キミのゴーヤとヘチマも棚を作らにゃいけんな」
朝、畑を眺めていた三好さんがいう。
「材料、採りに行くか?」
「いいよ」
即答したが、いい出した本人があまり乗り気ではないらしい。なんとなくうやむやになって、話は流れてしまった。

ところが、昼過ぎにどこかに出かけていった三好さんは、木や竹を車にどっさり積んで戻ってきた。
「棚作るぞ」
 Y字に枝分かれしている部分を選んで切ってある木は、まっすぐで太さがそろっていた。それを6本、地面と垂直になるように畑に立てる。
「間隔が同じになるようにね。木ではかって、間を取って」
 間に立てる木も、テキトーではない。高さ、間隔は同じか? 垂直に立っているかなど、キッチリ確認して作る。今日の三好さんを見ていると、腕の立つ職人としていい仕事をしていたんだろうな、というのがよくわかる。

 Y字の部分に竹を組み込み、天井に笹がいっぱいついた竹を縦横に載せる。竹を一本、苗の横に立てればいいや、ぐらいに思っていたのだが、どんどん本格的なものになっていく。

「棚作っているの?」
ノボルおじいがやってきた。
「手伝うよ」
天井に載せた竹をスズランテープで木のフレームに固定する作業を手伝ってくれる。
「竹が足りんな」
 手を動かしながらノボルおじいがいったかと思うと、ぴゅーっと出ていき竹を採ってきてくれた。私の苗のためにこんなにいろいろな人が協力してくれる。ほんとうにありがたい。

 完成した棚は、東屋ともいえるような立派なパーゴラだった。三好さんは自分のゴーヤのために小さなフェンスを作っていたが、その100倍ぐらい頑丈でかっこいい。ヘチマやゴーヤがこの棚にぶら下がって実ったら、この下でお茶をしたいな。そんな素敵な空間だ。

夜は新年度初の総会。休憩時間にカネコさんと話をしていると、ノブエさんがやってきた。
「マサコおばあ、入院してるんだって?」
カネコさんが母のように慕っているマサさんが入院しているらしい。
「脳腫瘍なんだって。最後に会ったときにはもうほとんど歩けなくて、入院するために娘さんといったん帰ってきていたの」
 カネコさんが教えてくれる。若いころからときどき頭が痛かったので、最近の頭痛も気にしていなかったらしい。

「手術はするの? いつごろ退院できるの?」
 と聞いてみる。
「腫瘍が大きくて、もう手術はできないんだって。いまもたぶん病院で寝たきり。犬も世話できないから、6月に処分するって……」
そういってカネコさんは涙ぐんでいる。マサさんはよく、カネコさんの家に入り浸っていた。ふたりでマサさんの犬を洗ったり、毛を切ったり。思い出がいっぱいあるのだ。

私が最後にマサさんに会ったのは、1月。道ですれ違ったので
「元気?」
と聞くと、
「元気じゃない」
 といっていた。それがまさか、こんなことになるとは。おじい、おばあとのおつきあいは一期一会。大事にしなくてはならない。


4月16日(金) くもり

 あさってエコツーリズム協会のフリーマーケットで、廃油石けん作りのワークショップをすることになった。私とフーミンが講師をするのだ。そのとき使うゲットウの下準備を、フーミンちの庭でやる。

洗ったゲットウの葉をふき、刻んでいると、フーミンを訪ねて近所のお姉さん方がやってきた。パイナップル館のナオコさんと、住吉売店のイクコさんだ。
「なにしてるの?」
「廃油で石けん作ってるんです」

興味ありそうなので、固形の廃油石けんと水で溶かした液体石けんを分けてあげる。
「ぜひ使ってみてください。油汚れなんかよく落ちますよ」
 そのままお茶を飲みながらユンタクに突入。フーミンちで石けん作っていると、いろんな人と知り合いになれるのがいい。

 家に帰ると三好さんがイチローさんのバイクを修理していた。
「浦内橋の先に落ちてたよ。橋につっこんだんだろうな」
前輪がひしゃげてる。けっこうな衝撃だったのだろう。生きててよかったというべきか。

 自分のバイクからタイヤなどの部品を取り、三好さんはバイクを直した。
「三好さんのバイク、乗れなくなっちゃったね」
「ワシは軽トラもあるけど、イチローさんはこれだけだからな」
確かにそうだ。
「足がないと不便だろう。ワシの部品はまたどっかで探してくるよ」
 美しい男の友情である。


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