2003年9月30日、早稲田大学第一文学部総合人文学科 社会学専修3年(当時)の穂刈美貴子さん、渋谷悠万さんの調査に協力しました。
そのときのインタビューから抜粋した、西表の暮らしに関する受け答えです。
● 西表で“他人の釜の飯を食う”
渋―西表に行ってみてどうでしたか? 健康のことを含めて、どっちが生活しやすいっていうのはありますか?
山―向こうの方が冷えないよね。あとやっぱり、変な話だけど、行って1カ月くらいで、もう、すごくお通じが良くなったし、お腹がすいてよく食べるようにはなったかなぁ。でも……ほんとになにかが変わるのは、まだ先のことだと思うけど。
渋―慣れない土地で精神的な緊張みたいのはないですか?
山―あるよ〜。東京で当たり前なことが向こうでは当たり前じゃなくて、贅沢だったりするから。たとえば実家だと静かなんだけど、西表では三軒長屋に住んでいて、隣の音がつつ抜けなわけ。でも「うるさい」っていええないでしょ。隣には隣の生活ペースがあるし、別に親子でもなんでもないんだから。
たとえば朝早くね、どっかのおじいが隣(大家さん)にお酒を飲みにきて、「あ、どうぞどうぞ」って大家のおじいが招き入れて、朝の7時くらいから飲んでても「しょうがないな〜」って思うしかないじゃない。「なん時だと思ってんだ〜!!」とかいえないよね。
穂―いえないですね(笑)。
山―いったらね、「西表じゃお日様が昇ったら朝なんじゃい!」とかいわれるし。 実はいったことあるんだけど(笑)。“他人の釜の飯を食う”っていうんだっけ、こういうの? そんな感じだから緊張してると思うよ。それとか、虫とか全然触らないで育ってきてるのに、もうあっちこっちに虫がいるし、トイレも風呂も外にあるし、その中にもいろんな虫がいるの。クモとか。
初めは入るのさえ怖かった、トイレに。建物に入ってくのさえ怖かったけど、最近は結構慣れてきたんだよね。最初は「トイレに行くのがイヤだから水飲みたくないなぁ」とか、そんな感じだったの。だけど住めば都じゃないけど、だんだん慣れてきて、っていうか慣れざるを得なくて。いちいちビクビクしてられないから。