● 生活費
穂―変な話になっちゃうんですけど、あの、結構お金かかりますよね。いままで貯めてきたお金で生活してる、っていう感じなんですか?
山―そうだね。
穂―でも向こうでも、記事を書いたり、仕事はしてらっしゃるんですよね?
山―あんまりしてないね。
穂―あ、そうなんですか?
山―うん。初めはね、なるべく貯金を食いつぶしたくないなと思って、トントンでもいいから、貯金できなくてもいいから、まぁ5万でも10万でもなんか稼げないかなと思ってたのね。で、出版社に売り込もうとしたこともあったんだけど、なんかねぇ。そうやって仕事をしていると東京にいるときと変わんないんじゃないかと思ったり。
結局ね、売り込んでも「じゃぁ西表特集のときに」ってなって、そうなると宿の紹介して、こんなツアーがあるよ、って記事を書くことになりそうでね。なんていうのかな、よその人の宣伝をしてあげることじゃない、それって。
これまで私がやってきた仕事って、宣伝だな、と思うのね。別に商品のこと書かなくても、たとえば誰か映画監督にインタビューするとかね。でもその人がなぜいまここに出てくるのか、っていうと、向こうは売りたいモノ(作品)があるわけじゃない。この映画をもっと見てほしい、っていう。そういう商品をこっちが宣伝してあげる、その監督がいったことで一番おもしろいところをつなげて、「おもしろいな」って読んでもらえる記事にして紹介してあげる。
そういうね、人のためになにかをするのはもういいやぁ、って思って。自分のためになんかしたいな。そういう思いで向こうに行ってるのもあるんじゃないかな。だからこれまでと同じような仕事はしたくないんだよね。かといって、自分の書きたいことだけ書いて生活できるような環境には、まだなってない。生活かやりたい仕事か、って選択になったとき、私はやりたい仕事を取ったということかな。