●地元にどうとけ込むか
山―ある人にこう聞かれたのね。
相手「チナミちゃん、どう? この島に来て」
チナミ「いや、寂しいですよ」
相手「なんで?」
チナミ「人とつながってないから、友だちができないんですよ。同世代はほとんど結婚して子供がいるから、ファミリーという帰属先がある。それ以外にもママ仲間のグループに所属していたりする。地元で働いてれば、地元の職場でのグループの一員でいられる」
穂―でも山下さんは……。
山―地元で働いていない。家族もいないし子供もいない。内地から来てヘルパーとかやってる人は、たいてい若くて話が合わないし、生活の時間帯も違ったりする。おじい・おばあは、なんかやっぱり『誰だろうね?』って感じで、友だちとは思ってもらえない。彼らを知ってはいるけど、ちょっと敷居が高くて話し掛けづらい。私には所属先がないから、友だちもできない。「すごくなんか……寂しかったりします」っていったの。
そしたら、「チナミちゃんのように状況を冷静に分析するのはいいことだけど、人との違いにばかりに目を向けて、あの人とはここが違うから一緒にいられない、っていってたら、できる友だちもできないよ。人間はみな違うんだから、自分と同じところを見つけて、その部分でつき合っていくんだよ」っていわれて。
「なるほどね」と思った。で、それには、まずこういう飲み会の場で――そのとき飲み会だったんだけど――いかにノリよくいられるか。酔っ払いとどう話を合わせるか、っていうか酔っぱらいとも接点を見つけて楽しく話をして、いかにその場を楽しむかが大事だ、って。
そういう場でおじい・おばあと仲良くなったら、「じゃぁ、今度たけのこ取りに行くから連れてってあげるよ」ってなったり、おばあに「たけのこ採りに行くときは声かけてね、荷物持ってあげるから」っていうと、「ひとりで行くときの2倍採れる!」と思って声かけてくれるから、そうやって仲よくなるといいよ、って教えられて。で、「あぁ、そうか!」って。8月の半ばくらいからすごく煮詰まってたんだけど、こうすればいいのか、ってストンと理解したというか。